公認会計士は医師・弁護士と並ぶ3大国家資格であるため、合格難易度は非常に高いです。
合格者の多くは、偏差値の高い有名大学出身者が多数を占めます。
そこで今回は、公認会計士試験の難易度は最近の試験結果のデータをもとに解説。
受験生の多くが悩む税理士資格とも比較しているので、これから公認会計士や税理士を目指す人はぜひ参考にしてみて下さい。
公認会計士試験の難易度
近年の合格者数
年度 | 合格者数 |
---|---|
2016年 | 1,108 |
2017年 | 1,231 |
2018年 | 1,305 |
2019年 | 1,337 |
2020年 | 1,335 |
合格者数は、近年増加傾向にあり、1300名程度まで伸びています。
2007年は4,041名の合格者数が出ていたことを考えると、半分以下まで下がっていますが、これは公認会計士の需要に大きく影響しています。
というのも、2006年3,108名、2007年4,041名、2008年3,625名と大量合格者を輩出していましたが、2009年に起きたリーマンショックを機に監査法人も氷河期時代へと到来。
合格しても監査法人に就職できない就職難民が大量に出て社会問題となりました。
その結果、公認会計士試験の合格者は大きく減少し、一時は1,051名まで下がり難易度も一気に上がりました(2015年)。
その後、アベノミクス効果で日本経済が回復し、監査法人では公認会計士の人材不足が今度は起きてことから、合格者数が1,300名台まで回復しています。
もちろん、現在は新型コロナウイルスの影響で事業会社は財務状況が悪化。
公認会計士が多く勤務する監査法人も他人事ではないので、今後の合格者数は注意が必要です。
近年の合格率
年度 | 合格率 |
---|---|
2016年 | 10.8% |
2017年 | 11.2% |
2018年 | 11.1% |
2019年 | 10.7% |
2020年 | 10.1% |
最近の公認会計士試験の合格率は10%~11%台で推移しています。
2011年の合格率は6.5%と10%を切った年が複数年あったことを考えると、今は過去に比べて合格しやすくなったと言えます。
もちろん、それでも合格率は10%程度なので、決して難易度が低い試験ではありません。
しかし、だからこそ合格すれば、それだけ活躍できる資格であることは間違いないでしょう。
合格者の年齢層(2020年度試験)
合格者平均年齢 | 25.5歳 |
---|---|
合格者最高年齢 | 61歳 |
合格者最低年齢 | 18歳 |
30歳未満の合格者比率 | 82.8% |
大学在学中の合格者比率 | 41.6% |
合格者平均年齢を見てもわかるように非常に若いです。
公認会計士試験は入試科目が多く、出題範囲も広いため、どうしても多くの勉強時間が必要になっています。
したがって、学習時間の確保が難しい社会人だと合格難易度が非常に高くなってしまいます。
実際に合格者の8割以上が30歳未満であり、大学生が4割を超えています。
公認会計士試験の対策に専念できる若い世代がやはり合格している状況です。
合格者の出身大学(2019年)
ランキング | 大学名 | 合格者 |
---|---|---|
1 | 慶應義塾大学 | 183 |
2 | 早稲田大学 | 105 |
3 | 明治大学 | 81 |
4 | 中央大学 | 71 |
5 | 東京大学 | 40 |
6 | 京都大学 | 38 |
7 | 立命館大学 | 38 |
8 | 神戸大学 | 36 |
9 | 一橋大学 | 34 |
10 | 法政大学 | 34 |
2019年度に実施された公認会計士試験の合格者を大学別にみてみると、早慶を筆頭に偏差値上位の大学がランキングTOP10を占めていることが分ります。
受験者層のレベルが高いうえに、合格率10%台なので公認会計士試験の難易度はやはり高いと言わざるを得ません。
偏差値上位大学出身の人たちは難易度の高い大学入試を突破してきているので、学習のコツを熟知している人がほとんど。
したがって、公認会計士の資格試験でもやはり強さを発揮しています。
税理士試験とどっちが難しい?
公認会計士とよく比較されるのが、同じく難易度の高い会計資格である税理士。
公認会計士になれば、税理士登録も可能ですが、試験の性質が違うため、必ずしも税理士試験の難易度が下がるとは言えません。
資格試験制度の違いを理解すること
まず、両者は資格試験制度が違います。
両者は科目別合格制度を採用していますが、公認会計士は2年限定であるいっぽう、税理士は永久に受験免除となります。
また、税理士試験は1科目ずつ受験できますが、その分1科目の学習量は非常に多く、公認会計士のように一発合格は非現実的。
短期一発合格を目指すか、着実に合格を積み重ねていくかによって、難易度や相性は異なってくるのです。
時間の融通が利かない社会人にとっては税理士のほうが現実的で、勉強に専念できる大学生なんかは公認会計士のほうが短期合格が目指せます。
まとめ
今回は公認会計士試験の難易度について紹介してきました。
難易度は非常に高いですが、合格すれば年収1000万円も夢ではなくなるなど、それなりの地位と待遇を得ることは可能です。
しかも、独立する人も多く、職を失うリスクも低いです。
合格率は低く難易度は高いですが、公認会計士を目指す価値はある資格だと言えるでしょう。